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音が伝えること

by くのたん

少し前、主人が一人で沖縄に行ってきた話をした。

その影響で沖縄音楽が流れる家となったのだが、それが高じて三線まで始めてしまった。

主人にとって沖縄はかなり身近な存在になったようだが、私にとっても沖縄が身近になった。

私は沖縄は一度しか行ったことがない。でも三線の音色は私に、いろいろな風景を見せる。

私が三線を通して見える風景は、悲しいものだ。戦争のイメージ。地上戦に巻き込まれた県民の、恐怖が重なる。

空から爆弾が落ちてくるのも、当然恐怖なのだが、地上戦はまた違った種類の恐怖だ。

目の前に自分を殺そうとしている人間が迫ってくる。その恐怖は想像を絶する。

私はこれほどのレベルの恐怖に見舞われたことがない。でもこの三線を通じて、その感情が伝わってくる。

私の田舎には、津軽三味線という三味線がある。三線と同じ弦楽器だが、見える風景は全く違う。

あの音は吹雪の音。吹雪の中、一人必死に三味線を鳴らし続ける、暗闇の中で、寒さに耐えながら、苦しみながら鳴らす音だ。

その土地に受け継がれた音には、その土地に刻まれた記憶が宿る。

宿っているのか、それとも、土地の記憶を呼び覚ましているのか、

とにかく受け継がれた音には、何か特別なものが宿っている。

三味線は日本中にあるけど、おそらくその土地ならではの音色というものがあるのだろう。

全国の三味線の音を聞き比べると、結構おもしろいかもしれない。

実際この記事も、主人の三線を聞きながら書いている。

まだまだ始めたばかりで、曲を弾けるほどではないが、いつか「海のこえ」ぐらいは聞かせてくれるだろう。

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