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私が唯一知っていること

by くのたん

時々、「どうしてあんなこと言ったんだろう」とか、
「いつもは全くににならない事なのに、今日は気になってイライラした」とか、
「どうしてあの人といると疲れるんだろう」とか、

自分で自分の内側で起こっていることがよくわからない、ということがある。
そういう時は大抵、自分の内側から湧き上がってきた思いからではなく、外からの影響を受けていることがほとんどだ。

あの人と一緒にいると疲れたり、イライラしてしまう場合は相手から何らかの潜在的、心理的影響を受けている。それは会話の内容とは別に、潜在意識で何か別の風景を見ていて、その風景にイライラしている。

魔術書には「呪縛の予感」と書かれていることが多い。相手から何らかの束縛を感じる時、自分の自由がないと本能的に感じる時、自分が相手に負けていると感じる時、どことなくイライラしてしまう。

本心とは違うセリフを言ってしまって後悔する時、それは自分の意思とは別の何らかの意思が働いて、言わされているかもしれない。

自分がどうしてあんなことしたのかわからない、という現象は目で見えている光景と潜在意識で見ている光景が違うことによって起こる。

人は皆、自分の意思だけで動いているのではなくて、他者の意思の影響も受けながら動いている。というか恐らく自分の意思で動いていることのほうが少ない。
世界中にこれだけの人がいて、意思があって、思いがあって、そんな他者と混ざりながら生きているのだから、むしろ自分の意思を保つ方が難しい。

自分の思いと他者の思いの区別がつかなくなって、精神を病んでしまうことだってある。
自分の意思を強く保ちたいならまず「自分の意思を保つ方がはるかに難しい」ということを理解して、そして自分の行動のほとんどは自分の意思ではなく、他者の影響を受けているのだとまず受け入れる。

その中からわずかに見える「自分の意思、思い」というものを感じて、それを強く思う。
これだけ膨大な他者の思いが氾濫している世の中だから、感覚を研ぎ澄ませないと自分の思いは見えない。またすぐに見えなくても落ち込まない。気長にやる。

自分のことが知りたい、見たい、と思い続ければいつか見える日が来るから。

全世界に50億人?ぐらいの人間がいて、植物もいて動物もいて、そんな中で自分を見失わないほうがおかしい。というか見失わない人はある意味狂人だと思う。

自分がわかることは実はラッキー。宝くじで一等当てるより可能性は低い。
わからずに人生終える人がどれだけ多いことか。

私はそのわずかな確率に懸けている。そのために生まれたと、今は知っている。




くのたん
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