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平行世界は妄想ではない

by くのたん

先日「雲の向こう、約束の場所」というアニメを見た。監督は今新海誠。
新海さんと言えば「君の名は」だけどこちらは実は見ていない。
なぜかあまり縁が無いのだ。こんなにヒットしたアニメに縁が無いのに2005年の映画と今更ながら縁が繋がったようで見ることが出来た。

このアニメは時系列がちょっとわかりにくい感じがする。なぜなら現実世界と平行世界が全く同等の世界として描かれているから。

新海さんにとって平行世界とは妄想とか、空想の世界ではない。
新海さんにとって平行世界とはれっきとした「現実の世界」なのだ。
平行世界とは「もう一人の自分が生きる現実の世界」とはっきりと認識している。

「君の名は」はきちんと見ていないけどおそらくこちらでも現実世界と平行世界はほとんど同等の扱いだったのではないだろうか?
確か夢が入れ替わる話で、夢の中と思われる世界でも現実に物事が進行していたはず。
夢の中と思われる世界でも現実のように物事が進行するのは、新海さんにとっては平行世界は妄想でもなんでもないからだ。

この映画では夢の中に閉じ込められたさゆりと、それを助けようとするひろきと拓也の話だ。
別の次元に離れ離れになってしまった男女が出会う話、というのは新海さんがお好きなストーリーのようだ。

さゆりは夢の中に閉じ込められてもひろきや拓也と夢の中で繋がり続ける。
夢の中では、誰もが繋がることが出来るのだ。たとえ別の次元にいる人間であっても。

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朝目が覚めた時、昨日にいた世界と全く同じ、という保証はあるのだろうか。
朝目が覚めたら一年戻ってた、とか進んでた、なんてことがあったら大事件である。
きっとパニックになるだろう。
でもそんな長い期間ではなく、1分とか、2分程度の時空移動ならどうだろうか。
昨日いた次元と今日の次元はもしかしたら数分ずれているかもしれない。

何が良いたいのかというと、「人はタイムトラベル的なことを割と日常的にしているんのではないだろうか?」ということ。
こんなこと書いたら狂人扱いされそうだけど、新海さんならわかってくれるような気がする。
例えば「楽しいことをしていると、時間はあっという間に過ぎる」とか「今日は時間の経つのがおそい」とか思うことがあるけど、これはただの思い過ごしじゃないかもしれない。
起きながらにして次元が移動しているのかもしれない。

平行世界はたぶん無数に存在する。それこそ分刻みで。私たちは眠ったりしている間に平行世界を行き来しているかもしれない。
また何か大きな決断をしたとき、その瞬間別の平行世界に移動しているのかもしれない。
その大きな決断をしてからの自分の世界と、決断をしなかった自分の世界が分岐して、別の世界になるのかもしれない。

こんないろいろなことをこの映画を観ながら考えた。
この映画ではさっき説明したことだけではなくいろいろ話の伏線があるのだけど、ここで書くと非常に長くなるので気になる人は視聴すると良いと思う。

新海さんにとって平行世界は現実、とさっき書いたけど、実はこれはすべての人に当てはまることでもある。
例えば結婚をしたとする。その瞬間、「結婚した自分の人生」がスタートするのだけど、「結婚していない自分の人生」というものも、おそらく平行世界として存在しているのではないかと感じる。
結婚を決断した瞬間、独身の自分の時間とは切り離されるが完全に消滅したわけではない、とそんな風に思う。そして切り離された独身の自分は自分でまた別の人生を歩むのかもしれない。

平行世界は妄想じゃない、なんて文章で書くとおかしな人扱いされることは新海さんもよくわかっているのだと思う。それでもどこかでわかって欲しくて、アニメという形で残しているのだろうなと感じた。

私は新海さんみたいにアニメは作れないから文章にするしかないけど、
おそらく私と新海さんは似たような世界観を持った人かもしれない。
新海さんは迷惑かもしれないけど、そんな風に感じた。

今回書いた記事は、このアニメを見なければ書けなかったと思う。

そういう意味でこのアニメを見てよかったと思う。


くのたん
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